2019-2020 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)第2戦
セパン8時間耐久ロードレース
マレーシア セパンサーキット(1周=5.543km)
12月14日(土)決勝 天候:雨のち曇り 路面:ウエット~ドライ
12月14日(土)にマレーシア・セパンサーキットでセパン8耐が初めて開催された。FIM 世界耐久選手権(EWC)は、2016年より年を、またぎ鈴鹿8耐を最終戦となるスケジュールで開催されているが、今回のセパン8耐は、9月にフランスで開催された開幕戦ボルドール24時間耐久レースに続く、2019-2020年シリーズの第2戦となっている。カレンダー的に、北半球だと、どうしても冬は、レース開催に向いていないため、マレーシアのような温暖な場所で12月に開催できることは、主催者はもちろん、エントラント側にもメリットがあると言えるだろう。また、2020年の鈴鹿8耐に向けたトライアウト1stステージも兼ねており、日本から9チームほどがエントリー。1チームを除き、鈴鹿8耐への参戦権取得を目指した。
鈴鹿8耐のように日本のワークスチームの参戦はないものの、2018-2019シーズンのチャンピオンとなった#1 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCEや、ランキング2位となった#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM、BMWのワークスチームである#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMなど、いずれもO・Zレーシングのユーザーであるレギュラーメンバーは、もちろんエントリー。注目されたのがフランコ・モルビデリ、ハフィス・シャーリンというMotoGP™ライダー、マイケル・ファン・デル・マークというヤマハSBKのエースを擁す#21 Yamaha Sepang Racingで、公式予選、トップ10トライアルでトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得。レースでも中心的存在になると見られていた。
今回のレースは“RACES OF MALAYSIA SEPANG”と題し、2輪の世界耐久選手権(EWC)と4輪のツーリングカーレースWTCRなどの2&4レースのためEWCは、水曜に練習走行、木曜に予選、土曜に決勝というスケジュールとなっていた。金曜日の時点で決勝日の天気予報は、雨模様…。実際、朝のウォームアップ走行が始まるころから雨がパラつき始め、その雨足は強くなりウエットコンディションとなる。
グリッドに着いたころは、まだ雨足は、それほど強くなかったが、スタートを迎えるころには、激しい雨となり、まずはセーフティーカー先導でスタートが切られることになった。しかし、雨が強いため、1周したところで中断。その後、もう一度、セーフティーカースタートから再開を目指したものの、雨足は強く全車ピットインとなり、そのまま車検場に保管される。このまま中止となってしまうのか? という雰囲気にサーキットが包まれるが、主催者は18時にリスタートを決定。この日、3度目のセーフティーカースタートが切られると、1周したところでセーフティーカーはピットイン。実質3時間の耐久レースがスタートする。雨は、ほぼ止んでいたが、路面はウエット。ウエットから乾いて行く難しいコンディション。この中で#21 Yamaha Sepang Racingのファン・デル・マークがレースをリード。このまま独走するかと思われたが#5 F.C.C. TSR Honda Franceのマイク・ディ・メリオが追いつき、一進一退のバトルを繰り広げる。そして最終コーナーで両者のラインが交錯。コーナー立ち上がりで両者は接触し転倒。ファン・デル・マークはハイサイド状態になり、路面に叩きつけられるものの、すぐに再スタートしピットイン。一方、マイクは、再スタートし、そのままトップを走行。2スティント連続走行をしていたが残り1時間となる目前に転倒し順位を落としてしまう。
#5 F.C.C. TSR Honda Franceの転倒でトップに立ったのが#7 YART – YAMAHAのニッコロ・カネパだった。カネパは、一人で3時間を走り切りトップでゴール。初開催のセパン8耐を制した。2位に#88 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAが同一周回で入り、3位に#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが入った。#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMは5位、#1 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCEは6位と、しっかりシングルでフィニッシュしている。
世界耐久選手権(EWC)は、2020年4月18日・19日に第3戦フランス・ル・マン24時間、6月6日に第4戦ドイツ・オーシャスレーベン8時間、そして鈴鹿8耐が7月19日に最終戦として開催される。